1:銀行系ファクタリング会社
その名の通り、銀行の系列会社・グループ会社が運営しているファクタリング会社です。
みずほ銀行系のみずほファクターや、りそな銀行系のりそな決済サービスなどが挙げられます。
地方銀行の場合は系列会社ではなく、地銀が直接ファクタリングを行うことが一般的です。
銀行系ファクタリング会社のメリット
・億単位の売掛金でもファクタリングできる
・手数料が安い
・ファクタリング会社自体の信用が非常に高い
ファクタリング自体、主に中小企業が行うもので1億円以上の売掛金をファクタリングできる会社はなかなかありません。また、3社間取引をしなければいけない場合、売掛先企業は聞いたことのないファクタリング会社の名前を出されると不安に思うこともあるでしょう。
しかし、銀行のグループ企業なら企業名だけでお金を扱うプロだとわかってもらえるので、3社間取引が承諾されやすくなります。
銀行系ファクタリング会社のデメリット
・申し込みから現金化までに時間がかかる
・審査が厳しく最低融資額も大きいので、大企業向けである
・3社間ファクタリングのみ対応なので、売掛先企業に必ず通知する必要がある
この3点以外の最大のデメリットは、親会社に情報が筒抜けになること。ファクタリングのメリットは賃借対照表(バランスシート)に負債が計上されないことです。
しかし、銀行系ファクタリング会社の場合は親会社の銀行にその情報が筒抜けになってしまい、銀行融資を受ける際に不利になる可能性があります。
2:ノンバンク系ファクタリング会社
ノンバンク系ファクタリング会社は、銀行ではない企業のグループなどが経営するファクタリング会社です。
消費者金融会社や証券会社などお金を扱う事業の場合はもちろん、通信事業や物流など、親会社の事業は多岐にわたります。
ノンバンク系ファクタリング会社のメリット
・親会社が大手の場合、売掛先企業からの信頼も得やすい
・独立系ファクタリング会社に比べて手数料が低めに設定されている
・銀行系ファクタリング会社と違って、銀行融資のときにファクタリングの情報が筒抜けになることもないので、安心して利用することができます。
ノンバンク系ファクタリング会社のデメリット
ノンンク系ファクタリング会社のデメリットは、良くも悪くも中途半端といえること。
手数料も、ファクタリング契約から口座振込までの期間も、銀行系と独立系の中間設定になっていることが殆どです。
3:独立系ファクタリング会社
簡単に言ってしまえば、独立系ファクタリング会社は銀行系・ノンバンク系以外の「その他」に該当します。
独立系ファクタリング会社のメリット
・スピーディーな審査が可能
・数十万円の小口利用も可能
・2社間取引のファクタリングにも対応
ファクタリング会社のメインターゲットは中小企業であることがほとんどのため、多くの利用者がまず利用を検討するのが独立系ファクタリング会社であるといえます。銀行系やノンバンク系のように会社の規模が大きくない代わりに、スピーディーな審査が可能で、最短で即日資金調達が可能な会社もあるでしょう。
数十万円からでも利用できる独立系ファクタリングは、中小企業にとってはとくに心強い味方となりそうです。
独立系ファクタリング会社のデメリット
・ファクタリング手数料が高い
・ファクタリング会社自体の信用度が低い傾向にある
・手数料が安くても10%、高いと40%近くになることもあります。
ただでさえ資金繰りに苦しんでいる企業にとって、売掛債権額の大半を持っていかれるのはかなり辛いところでしょう。
また銀行系・ノンバンク系にあった親会社による信用の後ろ盾が一切ないことも、独立系ファクタリング会社のデメリットといえます。3社間でなければ特に気にすることはありません。
会社の選び方
1:希望する取引方法に対応しているか
ファクタリング会社には、2社間取引と3社間取引どちらかしか対応していない会社と、両方に対応している会社があります。
基本的に銀行系ファクタリング会社は、3社間取引を専門にしていることがほとんどです。
2社間取引を希望される場合は、独立系から探すのが手っ取り早いでしょう。
2:ファクタリング希望額が取引可能額内にあるか
ファクタリング会社によって、資金調達可能額は異なります。
数十万円から受け付けてくれる会社もあれば、億単位の融資もできる会社もあるでしょう。
資金調達可能額は「独立系<ノンバンク系<銀行系」の順に大きくなります。
調達可能額が大きくなればなるほど、資金調達前の審査は厳しくなることを覚悟しましょう。
3:資金調達までにかかる時間
売掛先企業との間に発生した売掛債権が現金になるまで、ファクタリングなしで待つと通常は数カ月かかりますが、ファクタリングを使えば最短で即日現金化することができます。
もちろん早いに越したことはありませんが、メガバンク系などの大手の場合は、どんなに早くても数週間、遅いと1ヶ月以上も現金化まで待たなくてはいけません。
それに比べると、独立系は非常にスピーディーで、ファクタリング会社によっては遅くても3営業日以内に資金調達してもらえます。そのため、資金繰りに余裕がない場合は、独立系のファクタリング会社が第一候補となるでしょう。
4:償還求償権の有無
ファクタリング契約が締結されるとき、売掛債権を自社からファクタリング会社が買い取ります。
ファクタリング会社が売掛債権を自社から買い取ってから、ファクタリング会社に売掛債権額が振り込まれるまでの間に、
売掛先企業が支払い不能状態となることもあります。
その際にファクタリング会社では、自社に売掛債権額を請求する権利を所有しています。
この権利のことを、償還請求権といいます。
ファクタリング会社と自社でファクタリング契約を結ぶとき、契約書にはファクタリング会社が償還請求権を放棄する旨が記載されていることがほとんどです。もし売掛先企業に支払い能力がなくなっても、自社が売掛債権額を支払う義務はありません。
ファクタリング会社が償還請求権を放棄すると契約書に明記されているかどうかは必ず確認しましょう。
悪徳業者がいるので注意
企業や個人事業主にとってメリットの大きいサービスで注目されているファクタリングですが、なかには悪徳なファクタリング会社もあるため、十分注意しましょう。
ファクタリングと謳いながら闇金行為をおこなっていたり、詐欺行為をはたらく会社もあります。
悪徳行為の被害に遭わないためにも、以下のようなファクタリング会社は避けた方がいいでしょう。
・手数料が高い、金額が不透明
・担保を要求する
・会社の電話番号が携帯電話
・契約書がない
・会社の所在地が不明
ただし、悪徳ファクタリング会社の手口は、どんどん巧妙になっているので常に細心の注意を払いながら提供会社選びをするようにしてください。
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