電気代が高い国ランキング

電気代が高い国は?

一般財団法人電力中央研究所では、1995年から2016年までの期間、世界各国における家庭用電気代の比較調査を行っています。

調査の対象国に含まれているのは、アジアでは日本と韓国、北米エリアではアメリカとカナダ、ヨーロッパではデンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、スペインとイギリスの10か国です。

調査結果は2018年1月に発表され、最も電気代が高かった国はデンマークで、2016年時点で35~40円/kWhとなっています。

続いて、ドイツ、イタリア、スペインの順で電気代が高いという結果になっています。

この調査結果から、ヨーロッパ諸国には電気代が高い国が多いという傾向を読み取ることができます。

 

電気代が安い国は?

一方、電気代が安い国はどこなのでしょうか。

北米エリアは、2016年ではカナダが約10円/kWh、アメリカが約10~15円/kWhほどで、ヨーロッパと比べると電気代が安く済むという傾向があります。

アジアをみると、韓国の電気代はアメリカと同水準の約10~15円/kWhとなっており、約25円/kWhの日本よりも安いことが分かります。また、フランスやイギリスなどは、電気代が高い傾向にあるヨーロッパ諸国にありながら、結果は日本よりも安いということがわかりました。

 

日本から見ると

日本に住んでいると、どうしても日本の電気代だけに注目しがちです。

一般財団法人電力中央研究所のデータを見ると、日本の電気代は約25円/kWhとなっています。

これは、調査対象10カ国の中ではデンマーク、ドイツよりも安いのです。

電気代が安い韓国やカナダと比較すれば高いものの、ちょうど中間に位置しています。

しかし、1990年代の日本の電気代は、世界と比較した場合かなり割高な水準となっていました。

その点はOECDなどからも指摘されていましたが、世界的な燃料価格の上昇や各国のエネルギー政策などに基づく増税などの影響により諸外国の電気料金が上昇し日本の電気代との格差は縮小されていったようです。

日本の電気代も各電力会社の経費削減などの経営努力によって減少傾向にありましたが、

東日本大震災以降、再び上昇となっています。

 

電気代が高い国、安い国

高い(1位~4位) 真ん中(5位~6位) 安い(7位~10位)
デンマーク
ドイツ
イタリア
スペイン
日本
フランス
イギリス
韓国
アメリカ
カナダ

出典:IEAデータ等を基に電力中央研究所にて計算
※2016年の為替レートで円換算
※米国は、州ごとの料金格差が大きいため州別料金の幅をグレーで表示

 

国によって電気代が違う理由

電気代が国ごと、また年代によってもさまざまな事情や理由があります。

一番電気代の高いデンマークは、再生可能エネルギーの普及に積極的に努めています。

ドイツでも再生可能エネルギーの普及をすすめています。

そのため、国が再生可能エネルギーによる電力の買い取りを行っています。

この買取制度の維持だけでなく、環境に配慮するために環境税が導入されていることも、電気代が高くなる原因となっています。電気代に環境税が加算されるため、どうしても高くなってしまうのです。

 

また、ヨーロッパの多くの国で2000年代に入ってから電気代が大きく値上がりしているドイツ、イタリア、スペインなどの国は、火力発電の比率が高くなっています。

これらの国々は、火力発電に必要な化石燃料の多くを輸入に頼っているため、燃料価格自体が上昇してしまうと電気代が高くなってしまうのです。また、化石燃料を輸入しなくてはいけないため、為替の大幅な変動があったときなどは影響を受けやすいことも電気代が高騰する理由のひとつです。

 

一方、同じヨーロッパ諸国でもフランスは原子力発電の比率が高いため、化石燃料の輸入コストなどの影響を受けにくく、電気代の高騰につながりにくい特徴があります。韓国は政府が電力会社に出資していることで、電気代の高騰を抑制しています。

また、石炭や原子力による発電比率が高いことも、電気代が安く維持できている理由のひとつといえるでしょう。

カナダも電気代が安い国のひとつで、こちらは水力発電の割合が高くなっています。

アメリカは火力発電の割合が高くなってはいるものの、化石燃料を自国でまかなっているため、

原料の価格高騰や輸入による為替の影響を受けにくく、電気代を安く抑えることが可能のようです。

 

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